世界遺産、沖ノ島のほんたうの価値

「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が昨年2017年に世界遺産に登録されました。宗像大社に行ってきていろいろと氣づいたことがあるので何回かに分けてこの話をしようと思います。

 

海の正倉院の異名

世界遺産に登録をされたというとは喜ばしいことのように思えますが、実は光と影の部分があります。

まず知っておいて欲しいと思うのは、沖ノ島は私たちが認識しているより遥かにとてつもない価値がある島である、ということです。

海の正倉院という異名をもっており、なんとここから出土された宝物が80,000点 !!
しかもその全てが国宝に指定されました !!
九州本土から約60キロメートル離れた玄界灘の真っ只中に浮かぶ周囲4キロメートルの孤島に、80,000点もの国宝が眠っていた、ということです !!
なんでそんな海の真っ只中の無人島に膨大な国宝が眠っているのか?

 

沖ノ島

写真に上げたのはネットから拝借した画像ですが、その国宝の一つの黄金の指輪です。純金むくですから、1,500年以上のものなのに今だに色あせていません。まさに「秘宝」です。ちょっと似たような秘宝がありますね。日本という国家が最も古く認められた証拠となる「金印」です。この金印とある意味同じ要素のある秘宝がこの黄金の指輪といえるでしょう。私は実物を拝見することができました。

なぜこんな宝があるのかというと、飛鳥時代より以前の古代の日本、おそらくは弥生時代に国家祭祀がなされていたからです。この国家祭祀、台風の日でも
関係なく途切れることなく行われていたとされています。一年365日。それを、なんと500年間も途切れること、なく。です。
この歴史は伊勢神宮をさらに500年も遡る時から続いている、というのです。

むーーー。

凄すぎます。

私が今回お会いした神官さんは、この記録映像の中に登場する神官さんです。
真っ裸になって海に入り、禊祓いをするシーンが登場します。イザナギが行った禊祓いです。
現在ではたった一人の神官さんが10日間交代で沖ノ島に常駐し、毎日こうして神事をされるのだそうです。365日。台風の時ですら途切れることなく。厳寒の冬ですら海に裸で入って禊祓いをするのです。毎日毎日です。誰も見ていないところで。

日本って、まだまだ、こんな凄まじいことをやっている国なんです !!
まさに「神の國」といえると思いませんか?
これが日本という國の底力なのです。

昨年世界遺産に登録をされたのですが、2018年からは研究者らを除く一般人の上陸は全面禁止することを宗像大社が2017年7月に決めました。

なんと、世界で唯一の、実際に行くことも見ることもできない世界遺産なんですよ !!

なんで、そんなことができるのか?
それは、沖ノ島は私有地だからです。
誰の私有地か? それは、ここでは言えません。
個人の所有物ですから、うちの中にかってに入り込むな、と拒否することができるわけです。

ちなみに富士山も私有地です。そして世界遺産に登録をされました。しかし富士山の場合は所有者が富士山には誰でも登山して良いと決めたので、多くの方が登山を楽しめます。
沖ノ島は、世界遺産になってしまったために、今年から一切の上陸を禁止することになった、ということなのです。
このことについても、神官さんに詳しくお話しを聞いてきました。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

写真は、現地で購入してきたビデオです。テレビ局がつくったドキュメンタリーなのでNHKスペシャルのような素晴らしい映像です。
鳥肌が立ちました。涙が出ました。
私が親しく話をさせていただいた神官さんもこのビデオに登場しています。

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世界遺産登録による良い面と悪い面

 

沖ノ島

沖ノ島が2017年に世界遺産に登録されました。
それにまつわる「ほんたう」の意味を考えたいと思います。
「ほんたう」の意味とは、世界遺産に登録されたことによる良い面と悪い面がある、ということです。
悪い面という視点から考えると世界遺産にするべきではなかった、という見方もあるということです。
また、悪い面があるということを知りながらも、政治的な意味なども含めて、世界遺産に登録されることでメリットがあるから少々強引にでも登録を推進した、という面もある、ということです。

どちらからの視点も理解することが大切である。
というのが私の「ほんたう」のこととは何か? を論じる観点です。
片一方からの視点だけでは「ほんたう」のことは見えてこないものなのです。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

沖ノ島と関連施設が世界遺産に登録されたことは、この世界遺産制度の中においてちょっとした衝撃でした。
ある意味、今まで登録として認められなかった価値観が従来の常識を破って登録されることが認められた、ということが起きていたのです。

かんたんに要約しましょう。
登録がされた正式名称は「宗像・沖ノ島と関連遺産群」と呼びますが、その登録されているものの構成は

①沖ノ島(宗像大社沖津宮)
②沖ノ島周辺の3岩礁(沖ノ島周辺)
③宗像大社中津宮(大島)
④沖津宮遥拝所(大島)
⑤宗像大社辺津宮(宗像市本土)
⑥新原・奴山古墳群(福津市)

となりました。

ところが最初に登録されようとしていたのは①と②だけで、登録申請がなされていた③~⑥は認定をする組織「ICOMOS」から認定を認められないとして勧告を受けていたのです。
つまり、かんたんに言うと、本土から離れたほぼ無人島の沖ノ島とその周辺は遺産としての価値はあるけれど、他の施設は価値を認められない、というものだったのです。

ICOMOSの勧告は
・自然崇拝に基づく古代の沖ノ島信仰と現在の宗像大社信仰に、継続性は確認できない。
・なぜ、どう信仰が変容したのか、説明が不十分。
・女人禁制など沖ノ島の禁忌の由来は、17世紀までしか記録をさかのぼれない。
というものでした。

これに対して、いやいや①~⑥まで全部が「宗像三女神信仰」に関連したものであり、切り離すことができない。
あえて言うならば、沖ノ島だけが世界遺産になるんだったら、世界遺産にしなくてもけっこうです。
というくらいのニュアンスだったわけです。

これは日本の神を理解し認めるという点では非常に重要な点。西洋の人には理解しづらい点だったかもしれないです。

いったん勧告を受けたことを覆すことができたのは
「神道は自然を神様とするエコロジカルな宗教で環境破壊は神殺しとなるため、現代社会に求められる自然保護を必然としてきた。一神教は対立軸による軋轢をもたらしているが、多神教やアニミズムに基づく民族信仰はその地域の外へ出ること(布教)を想定しておらず、性善説に基づき安寧(平和)を祈願している」という主張が認められたためです。

日本の神道は、布教を想定していないので、宗教ではない。
というのが、私が常日頃、神道を解説している根幹です。

このことは、日本の精神文化の真骨頂である「大和魂」の根幹に関わる部分が認められた、と言ってもよい快挙だと思います。

でも、一方、このことに意を唱える見方もあります。
沖ノ島は他の地域の人々には知られていないが、すでに弥生時代からめんめんと厳密に守り続けられてきた神域であり、今更世界遺産登録なんてされなくても、変わらずに宗像大社と地元の人々が守っていく。
むしろ、世界遺産登録がされることで、マナーを守らない観光客が増えてしまうから、ほんたうに文化と遺産を守ることが目的であれば、世界遺産とするのは余計なことである。
という考え方です。

また、③~⑥、特に⑤は世界遺産登録をされることで観光客が増えれば経済的にうるおう。その理由から、どうせ登録をするのであれば、⑤が認められなければメリットがない。ということは歴然としています。

世界遺産とは、その國だけの価値を超えて人類全体が共有する価値として認め、自然、文化が壊れることなく保存・保護することを目的として登録認定をするものです。

このことによって、確かに保護のメリットがあります。
例えば、空港や発電所などの経済優先型施設の建設を止めることができます。
実際に沖ノ島が登録されることで、建設が計画されていた空港等が破棄になりました。

けれども観光化されることで、地元で生活している人々から苦情があるというケースもあります。ゴミが増える。マナーが悪い外国人がやってきて風紀が乱れる。などです。

私は神道を実践する者として、神社に意識の低い観光客が大量に押し寄せる現象にはとても危惧を覚えます。

伊勢神宮は、その点の配慮が素晴らしく、マナーの悪い客は最初から敷地には入ってはならないという体制をしいています。ゲートの部分でチェックがなされ、中に入れてもらうことができないようになっているのです。

ちなみに私の個人的意見としては、伊勢神宮は絶対に世界遺産にしてはならない存在である、と思っています。日本のアイデンティティを守るためには伊勢神宮が世界遺産になるなんてことはもってのほかです。
なぜなら、伊勢神宮は日本の精神の象徴であり、国際的な価値基準とは明らかに異なる価値を有しているからです。
グローバルスタンダードという価値観が、あたかも素晴らしい価値観のように伝えられていますが、それは刷り込みにしかすぎない。なんでもかんでも、みんなが同じある必要性はなく、独自の文化や個性は他者の価値観と混じることなく独立することも必要なのです。

自由と平等という名前の元に、日本独特の価値観を捨てなくてはならないことになりかねません。日本人はそのことの重大性を理解すべきだと思います。

そういった観点から、今回、「宗像・沖ノ島と関連遺産群」が世界遺産として登録され、同時に今年から、宗像大社によって、沖ノ島の上陸は男女共に禁止としたことは、英断であったと私は考えます。

世界で唯一の誰も足を踏み入れることのできない世界遺産。
沖ノ島への幻想と魅惑は、ますます高まりますね。

 

 

「宗像三女神」という神さまのこと

沖ノ島

神道的に知っておいた方が良いこととして
「宗像三女神」という神さまのことがあります。

詳しく話すと少しややこしいのですが
宗像大社の主祀神は「宗像三女神」と呼ばれる
三人の女神であり、
その三人の女神が合体して
「宗像大神」という一柱の神にもなっています。

現代ヒーローものの変身キャラクターには
何人かのヒーローが合体して巨大ロボットになるもの
もありますが、実はこの発想の原型は
こういう日本の神さまの形から来たものです。

以前「神勅(しんちょく)」ということについても
解説をしましたが、日本の神様の代表格である
天照大神から直接命令を言い渡された神さまが
二柱だけいるのです。

その一柱が、天孫降臨をした
瓊瓊杵命(ニニギノミコト)であり
もう一柱が「宗像大神」なのです。

日本神話においては膨大な神さまが登場しますが、
その中でも重要な使命を帯びた
神さまの一人(一柱)が「宗像大神」というわけです。

また「宗像大神」は、
別名「道主貴(みちぬしのむち)」と呼ばれます。
「貴(むち)」という名前が付いている神は
かなり位の高い神であることを表していて、
なんと、たった三神しかいないと言われています。
それだけ超重要な神でもある、ということなのです。

さて、その三神とは、誰だ?
ということについては知りたい人にだけこっそり教えますね。

この「宗像大神」を三人の女神に分けると
日本書紀では
長女の田心姫(たごりひめ)沖津宮 (沖ノ島)
次女の湍津姫(たぎつひめ)中津宮 (大島)
三女の市杵嶋姫(いちきしまひめ)辺津宮 (本土)
となるわけです。

ちょっとめんどくさいのですが
古事記ではこの三人の姉妹の順番が違っています。
古事記では、次女が市杵嶋姫なんです。
ややこしいですねー。

さらにややこしいのですが、
この市杵嶋姫だけが結婚をしていて、
他の姉妹は生涯独身を貫きます。

で、市杵嶋姫は、なんと大国主の妻であり
弁財天でもあるんです。
そう、七福神の弁天さまって、
宗像三女神の一人でもあるってことです。

かなりややこしいでしょう(笑)

前置きはここまでにして。

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

肝心の沖ノ島の話です。
沖ノ島を守る神さまは
長女の田心姫(別名・タキリビメ)です。
これは古事記でも日本書紀でも変わりません。

で、この田心姫は、日本を守るために
中国・朝鮮に向かって防衛の神となり
そのお役目を全うするために生涯独身を貫くのです。

これが日本の歴史の裏に隠された秘密の一つなんです。

で、本題の《沖ノ島のほんたうの価値》なんですが
なぜ世界遺産になったのか?
というと、裏の事情もあるということなんですねぇ。

世界遺産に登録をされた、ということは
日本の領土である、ということが国際的に証明された
ということになるわけです。

「EEZ」って知ってますか?

「EEZ」とは「Exclusive Economic Zone」の略称で、
「排他的経済水域」と呼ばれるものです。
海を持つ沿岸国が、天然資源など「経済的」な
ことに対して「主権的行為」をとれる、
つまり自国の海域のことです。

国というのは陸地だけではないのです。
そして日本のほんたうの富とは
実は海の中にかなり豊富にあるのです。
漁業による海産物が獲れるだけでなく
地下にはレアメタルなどが埋蔵されているのではないか?
と考えられているのです。

ところがこのことは、
実はかなりグレーゾーンにもなっていて
日本という国を経済的にも戦争的にも守るためには
超重要な課題の一つなんです。

中国はかなりこの領海侵犯を犯していて
その状態から日本を守るために自衛隊は威嚇のための
ジェット機発進などをせざるおえない事態が頻繁に起きています。
そのことが莫大な防衛費の増加になっているのです。

ちなみに中国の領海侵犯問題に対する費用だけで
年間何十億円ものガソリン代がかかっています。
中国は日本が侵略戦争があったとしても
それを攻撃できないことを知っていて
あえて領空侵犯を犯し続けているからです。

日本は憲法九条により攻撃権を持っていないために、
このような無駄な防衛予算がかかっているのです。
これは一般的には全く知られていない事実なんですけどね。

このような問題に、沖ノ島がからんでいた、
ということなんです。

世界遺産になった、というのは、
実は観光的な話だけではない
ということなんですね。

こういうことを知っていくことも
「ほんたうの幸ひ」とは何なのか?
という本質を理解していくことにつながっていくのです。
ものごとの本質を理解するにはこのように
多面的な見方をしていくことが必要だということなんです。

天地彌榮塾が教えていくことは
神さまの話と同時に、
こういうことも教える学校だということなんです。

今日はちょっと高度な話でしたね。
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(*^_^*)

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

日本の文化や世界遺産、世界の価値について意見のある人は、ぜひコメントしてくださいね。
単純に、すご~い !! 勉強になりましたーー !! というコメントも歓迎です。
もちろん、シェアしてくれる人がいたら嬉しいです。
日本の価値の理解、日本人の誇り、ということを広げていきたいですね。

今日も1日、あなたが充分に幸せでありますように。

ABOUTこの記事をかいた人

郷右近丸彦プロフィール 郷右近 丸彦(ごううこん まるひこ) 株式会社スピリッツ・ザ・ウォーター代表取締役 天地彌榮塾(あめつちいやさかじゅく)塾長 NPO法人サスティナブル・コミュニティ研究所 理事・主任研究員 1959年生まれ 職業・プランナー、プロデューサー、企画コンサルタント。 東京国際大学卒業後、メーカー、マスコミ業界、テレビ事業会社を経て独立。 平成9年9月9日に銀河鉄道999を走らせる「銀河鉄道999フェスティバル」、鳥取県境港市のテーマパーク「ゲゲゲの妖怪楽園」、環境浄化せっけん「善玉バイオ洗剤《浄(JOE)》」など数々の社会現象として話題となるイベント、事業、商品開発などを企画プロデュースする。日本を明るく元気にする「感動プランナー」を育成し、事業プロデュースをする感動創造プロデューサーとして活躍。解決が難しい課題を、わかり安く親しみやすい切り口からアプローチ、話題づくりにつなげることが評判となり、一部上場会社の企画顧問、様々な企業コンサルティングを行う。 現在は「ほんたうの幸ひ」とは何か?をテーマに「天のルール」と「地のルール」を教える「天地彌榮塾(あめつちいやさかじゅく)」の塾長として活躍中。全国の神社を案内しながら、古神道にのっとった神社参拝方法や日本人の本質、大和魂とは何かを教えている。 その他役職 NPO法人サスティナブル・コミュニティ研究所 理事 主任研究員 趣味 書家。映画、舞台、能、絵画、メディアアートなどの芸術鑑賞 https://www.facebook.com/gogo.ukon